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ひき逃げに気づかなかった場合も刑罰を受けることになるのでしょうか?

  • 文責:所長 弁護士 岡安倫矢
  • 最終更新日:2025年10月21日

1 ひき逃げの場合に成立する犯罪および刑罰

ひき逃げは、人身事故を起こしたにもかかわらず、車両等の運転手が必要な措置を講じずに事故現場から逃走する行為のことをいいます。

このように、道路交通法に定められた救護義務に違反する行為のことをいい、ひき逃げ行為を行った場合、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条2項)。

上記の道路交通法違反に問われるほか、ケースによっては、危険運転致死傷罪や過失運転致死傷罪に問われることもありますし、道路交通法違反との併合に問われることもあります。

2 ひき逃げに気づかなかった場合は?

過失犯が成立する場合などを除き、犯罪が成立する場合には、故意が必要です。

故意、すなわち、わざと当該行為を行うことが必要となります。

ひき逃げの場合も、故意犯ですので、ひき逃げに気づかなかった場合は故意がないため、救護義務違反は成立しないことになります。

すなわち、この場合は、救護義務違反の刑罰には処せられないこととなります。

3 気づかなかったという主張が通るのか

捜査機関に「被害者に気づかなかった」といっても、すぐに捜査機関が当該主張を受け入れて、犯罪不成立と判断することはほとんどありません。

事故現場の防犯カメラや、対象車両や周辺車両のドライブレコーダーなどの映像などを解析するなどし、また、事故の発生時刻や天候、道路の見通しなど客観的状況から事故の状況を明らかにして判断していきます。

そのため、例えば、見通しの良い昼間の道路で歩行者と衝突したといった事案の場合、「被害者に気づかなかった」との主張により、犯罪不成立となることは難しいと考えられます。

逆に、夜間の見通しの悪い道路での事故の場合、「被害者に気づかなかった」との主張は通るようにも思われますが、通常、普段から運転している人であれば、人に衝突したり、人に乗り上げたりすれば、かなりの違和感を覚えることが多いので、全く認識がなかったとの主張は難しいのではないかと思われます。

4 救護義務違反でなくとも他の犯罪で処罰されることも

「被害者に気づかなかった」との主張により、故意が否定された場合、救護義務違反で刑罰を受けることはありません。

しかしながら、ケースによっては、危険運転致死傷罪や過失運転致死傷罪に問われることがあります。

危険運転致死傷罪の場合、15年以下の拘禁刑(致傷の場合)、1年以上20年以下の拘禁刑(致死の場合)の刑罰が科せられます。

過失運転致死傷罪の場合、7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。

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